わたしが夫に頼らないと決めた理由
バリバリ働く自信なんて無い
夫のことで色々あった頃、
特に3年ほど前だったか、夫の給料が手取り11万円台になったとき
あまりにつらくて生きている意味がわからなくなってしまって、
私は臨床心理士のカウンセリングを受けました。
はっきり覚えてないのですが90分で8,000円だったかと。
それだけの価値があったかどうかわかりませんが
(カウンセリングとは緩やかに心を導いてくれるので1度で大きい変化は無いのが通常です)
そのとき先生に言われたのが
「ななえさんが主になって稼いではどうですか?」
私はそんなこと無理!有り得ない!と思ったので
「それは出来ません」と即答しました。
私にはバリバリ仕事が出来る精神力なんて無いのは明らかと思ったからです。
ここまで来れば夫にはもう頼れない
けれどそのあと半年ほどで夫は6度目の転職を決行し、
転職後半年もせず、夫の大動脈瘤がみつかりその後手術。
術後、夫はまた仕事を辞めたいと言い出しました。
しかも次はただの転職ではなく、
多額の借金をして未経験の商売を始めると言い出しました。
人に雇われることも続かない人なのに、何の知識も経験も無い商売を始めるなんて
笑い話にしか聞こえませんでした。
勉強期間は1日もありません。
何をどうやったら商売がうまくいくと思ってるのでしょう。
そこまでされると、被害は私だけじゃなく息子たちにも及びます。
それだけは避けなければなりません。
ここまで来て、もう私は夫をこれ以上支えることが出来なくなりました。
25年以上こんな状況が続いていても夫に期待して応援して来たのに、
夫には何の反省もありません。
私を不安にさせるばかり。
夫には夫なりの理由があるのでしょうが、
それは私の目からはただのわがままにしか見えず、私を納得させられるものではありません。
106万の壁のタイミング
自分の心の中に色んな葛藤があり、
ずっと停滞状態でしたが、もう夫に頼る気持ちは捨て
(これは結果論ですが)臨床心理士の先生の言われたとおり、
自分が主になって稼ぐ方向に心が向き始めました。
それしか自分が生き残れる方法が無かったのです。
その後で、106万の壁なるものが出来、
私の職場でも働く時間を増やすかどうか選択できるタイミングがあったので、
それに乗っかりました。
前後して個人事業主にもなりました。
気持ちの変化
自分が主になって稼ぐと言っても、
その収入はいまだに微々たる物ですが、
夫に頼ることをやめたら、気持ちは不思議なほどとてもすがすがしいのです。
あれだけ迷って進めなかったのに、
一旦決めてしまうと今度は怖いものが無くなりました。
(ここで言う怖いものは夫から受けていた不安な気持ち)
もう今は1点の迷いもありません。
ご主人の収入に頼って、
ご主人に精神的にも甘えらえる奥さんは可愛くてうらやましいです。
女性として理想的だと思います。
でも私には頼ったり甘えたり出来る人はいません。
夫にもし頼ったりすれば共倒れです。
夫の月給が11万円になったときがそのボーダーラインでした。
本当はとっくの昔から分かっていたはずなのに、
それをしっかり自分で認められるようになるまで25年以上の長きがかかったわけです。
カウンセリングの効果
カウンセリングを受けてから気持ちの変化はとてもゆっくり進みました。
これがカウンセリングというものですね。
人の心を急激に動かしても、また振り子のように元に戻ります。
今の私は前だけ見ています。
確かに夫の今までの言動は忘れることはないし、しょっちゅう思い出してしまいます。
それはもうとてもとても大きいトラウマです。
でも、私の心は前を向いています。
私の心の中にあるのは苦労を乗り越えた充実感です。
簡単に動揺しない肝を持つことも出来ました。
冷静な判断が出来るまでどっぷりどん底に身を置く大切さ
私が言いたいのは、何か大きい悩みがあっても、
あわてて色んな決断をする必要は無く、
じっくり時間をかけて自分の心が自然に動くまで待つことも一つの選択肢だということです。
それまでの間は確かにとても苦しいです。
生きている、自分が生まれてきた意味までも否定しようとしてしまうこともあるでしょう。
でも、私があの頃(夫の給料が11万になって自分の気持ちがどん底に落ちたとき)に
あわてて色んな行動に出たとしたら、
それは良い結果をもたらさなかったように思います。
たっぷりどん底に自分の身を置く期間も必要なことだったと今になれば分かりました。
迷っているときは行動に移さない。
冷静に判断できるときが来るまで待つ。
それが人生にはとても大切なことだと思うのです。