つい先日、友人と訪れた全作品偽物の「大塚国際美術館」のことが
今日TVで放送されました。
小泉 孝太郎さんの「眠れる森の美術館」です。
この美術館を作るのには何と400億円のお金がかかっています。
※私が実際「大塚国際美術館」にて撮影してきた画像は
説明の後に【↓館内にて撮影】の但し書きを付けています。
それ以外は番組から画像をお借りしました。有難うございます。
400億円の「大塚美術館」上空からの素晴らしい全景
美術館は地下から始まっていて上りながら作品を見るので、
建物の全景が想像できませんでしたが、
この番組で上空からの映像を見ることが出来て良かった!
丸くなっている部分が、モネの大睡蓮の池ですね。
私が行った時に写真を撮った場所と同じですね。【↓館内にて撮影】
レプリカを作った工場に潜入「大塚オーミ陶業株式会社」
ここはものすごく広いです。【↓館内にて撮影】
このシスティーナ礼拝堂については、また後日別の記事で書きます。
おそらくこの美術館の作品の中でも最も有名な場所で、
横綱白鳳や、水野真紀さんがここで結婚式を挙げられました。
大塚美術館の作品は滋賀県で作られている
さて、いよいよレプリカを作っている工場に潜入です!
作り方を説明したコーナーが美術館内にあったのですが、
作品の規模があまりにも大きすぎて、説明を読んでもピンと来ませんでした。
でもこの番組を見ることが出来て、その謎が解けてスッキリ!
ボンカレーやポカリスエットで有名な企業「オオツカ」のグループ会社
「大塚オーミ陶業株式会社」の工場は滋賀県にあります。
大塚オーミ陶業株式会社とは、信楽焼きで有名な滋賀県信楽町にある近江化学陶器株式会社と
大塚が合併して出来た会社です。
世界の名画を陶板に焼き付ける方法 全公開!
その工場には絵を描いている人は一人もいません・・・
いったいどうやってあの作品が作られてるの?
たたいてみるとコンコンと音のする陶板。
陶器で出来た板で作品は作られています。
陶板についての説明は美術館にもありました。【↓ 館内にて撮影】
私も京都市美術館で本物を見たことがある、
フェルメールの「真珠の耳飾の少女」の作品の額にあるひび割れも
本物と同じように見事に復元されています。
どうやって作られてるの?不思議ですね~。
この作品は館内の「フェルメールの部屋」に展示されていました。【↓館内にて撮影】
額のひび割れや、油絵特有の盛り上がりはどうやって復元されているのでしょう?
撮影して転写紙に印刷、陶板に貼る
実際の作品を写真に撮影して
それを転写紙に印刷し、陶板に貼ります。
まだこの時点ではシールのような状態です。
重なり合った部分を丁寧にカット
壁紙と同じで、重なりあったところをカットして行きます。
カットされた部分がどこなのかわからないほど、丁寧にカットされています。
焼付け
転写紙が綺麗に貼られた陶板を50Mもの長さの釜を通して焼き付けます。
1000度以上で8時間焼きます。
美術館でいただいてきた資料によると1300度で焼いていることが書かれています。
その絵、色は2千年も保つことが出来るのです。
(番組では1,000年以上と言っていましたが、資料には1,000年も2,000年もと記載がありました)
レタッチする
作品の色や素材感について幹部による検討会があります。
黒の部分の黒が強すぎるのでレタッチされます。
焼きあがった陶板の黒の部分に青を足していきます。
深みが出て、より本物に近づきましたね。
レタッチは絵の具を使うのでは無く、焼き物用の顔料を使います。【↓館内にて撮影】
それは2万色もあるそうです。
現地にて本物と何度も比較
スクロヴェーニ礼拝堂には4回も足を運んだそうです。
館内には作品ごとにこういうタイトル表示がなされています。【↓館内にて撮影】
この礼拝堂のブルーの美しさは忘れられません。【↓館内にて撮影】
天井もブルーで本当に素晴らしい!夢のような空間です。【↓館内にて撮影】
本物と同じ高さまで上って、比較したそうです。
大塚国際美術館は本物と同じ大きさで復元されていますが、
このスクロヴェーニ礼拝堂はかなりの高さがあります。
(また後日高さがわかれば追記します)
絵付けは最低1~2週間かかるそうですが、
その後焼き付けて、また絵付けして焼付けてを何度も繰り返すのですね。
美術陶板の出来上がるまでの手順
陶板に転写 → 焼成 → レタッチ → 焼成 → 検品 → 陶板名画
ゴッホの幻のヒマワリも見事に復元
ここ大塚美術館にはゴッホの幻のヒマワリがあります。
もちろんレプリカです。
終戦直前に残念ながら消失してしまった作品を大塚が復元しました。
しかしながらその完成度の高さから、
レプリカでありながら、その価格は1000万円とも言われています。
【↓館内にて撮影】
世界一入館料の高い美術館の魅力
「大塚国際美術館」は世界一入館料の高い美術館です。
それなのに全てレプリカしか置いていません。
それがとても不思議だったのですが、本当に完成度が高く、
またそれぞれの作品を実際自分の手で触ることも出来、至近距離からでも撮影可能なのです。
他の美術館ではポイントごとに係りの方が見張っていて
何だか落ち着けない気持ちになったことはありませんか?
大塚美術館ではそういうことは一切ありません。
自由な気持ちで観賞できるのです。
大塚美術館に関して2つの記事をまとめました。
宜しければこちらもどうぞ。
そして、私が感じた大塚美術館の本当の魅力はまた別の面にありました。
それに関してはまた別の機会に記事にまとめたいと思っています。
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